新潟県上越市にある正善寺ダムの貯水率が、2025年7月時点で25.4%と異例の低水準に達し、同市では1994年以来31年ぶりとなる「渇水対策本部」を立ち上げました。市民約4万6000世帯(10万人以上)に対し、1日200リットルの節水協力を呼びかけていきます。
原因は雨不足 例年の半分以下の貯水量
上越市によると、今年は梅雨入り後も降水量が少なく、ダムへの水の流入が進まない状況が続いています。例年この時期には8~9割の貯水率があるはずですが、今年は半分以下にとどまっており、今後の生活・農業・産業活動への深刻な影響が懸念されています。
農業用水と医療・介護現場への影響も
特に、水を多く使用する農業や福祉施設・医療現場では、影響が顕在化しつつあります。上越市では、農業向けの相談窓口や費用補助制度を開始。一方、在宅医療や介護施設では、衛生管理や熱中症対策に必要な水の確保が課題となっています。
「生活水に加えて、看護や介護に必要な水も、工夫しながら使う時期。市民一人ひとりの意識が支援につながる」と、地元の医療関係者は話します。
市民の協力が鍵 意識的な節水行動へ
市では今後、公共施設での節水対策強化や、状況によっては給水制限措置も検討する方針。市民には、蛇口をこまめに閉める、洗濯・風呂の回数や使い方を見直すなど、日常生活における節水行動の徹底を求めています。