最近、ヒッチハイクを通じて知り合った人物が、後日その関係先で金銭を盗んだとされる事件が報道されました。
報道によれば、ある人物がヒッチハイクをきっかけに知り合った人のもとで一定期間生活し、信頼関係を築いていたようです。しかし、別れた後にその場所に戻り、保管されていた現金を持ち出したとされています。滞在中に得た情報が悪用された形です。
このような事件は、親切心が裏切られる痛みだけでなく、「信頼とは何か」「旅とはどうあるべきか」といった根本的な問を私たちに投げかけます。
ヒッチハイクの目的を見失わない
ヒッチハイクは、目的地までの移動手段を得るための行動です。移動先で次の移動が困難になることもありますが、そのような場面に備えて、移動費や宿泊費、テントなどの最低限の準備をしておくのが普通の姿勢です。
こうした備えがないまま、他人の善意にすべてを委ねるような旅をしている場合には、「ちょっとおかしいな」と感じることが大切です。旅は自由であると同時に、自分の行動に責任を持つことが求められます。
ヒッチハイクをしている人が、移動以外のこと、例えば宿泊や雇用(住み込み)などを当然のように求めてくる場合には、慎重な対応が必要です。それは、旅の目的がすり替わっている可能性があるからです。
地域での出会いにおいて、気をつけたいこと
ヒッチハイクは、旅人と地域の人々をつなぐ手段として、長く親しまれてきました。見知らぬ人との出会いが、思いがけない交流につながることもあります。
ただし今回のように、親切心が悪用されるケースもあることも考えると、
- 滞在の申し出には慎重に対応する
- 「泊めるのはごめんなさい」とはっきり伝える
- 相手の素性や目的を確認する
- ヒッチハイクの目的が移動以外に広がっている場合は、違和感を持つこと
親切にしたい気持ちは尊いものですが、見知らぬ人との関わりには慎重さも必要です。乗せた相手から「少しだけ泊めて」と言われると断りづらいこともありますが、「泊めるのはごめんなさい」と素直に伝えることは、誠実で安全な対応です。曖昧にするよりも、はっきりと境界を示すことで、互いの信頼と安心を守ることにつながります。断るのが難しいと感じる方は、そもそも乗せないという選択も、十分に思いやりのある判断です。見知らぬ人との出会いが喜びになることもありますが、「少しおかしいかも」と感じる力を持つことが、被害を防ぐ第一歩になります。

この事件を通じて、「信頼は時間をかけて築くもの」であるのはもちろんですが、長く滞在をした後の犯行から、長く関わった相手だから安心とは言い切れない現実を示しています。
ヒッチハイクをきっかけに信頼関係を築かれたとしても、その後に思わぬ形で被害が生じることがあるというのはとても悲しいことですね。
最低限の準備がない旅人に違和感を持つことが、地域の安全を守る第一歩になります。親切にも境界があります。
見知らぬ人は「自宅には泊めない」がいいかもしれません。