2025年6月、北海道大学構内で毒性の可能性がある外来植物が複数確認されました。現在、専門家による種の同定が進められていますが、形状や特徴から「バイカルハナウド(通称:ジャイアント・ホグウィード)」の可能性があるとされています。
一見するとセリやシシウドに似ているこの植物。実は、皮膚に炎症や火傷のような症状を引き起こす危険性があるとして、欧米を中心に広く警戒されている存在です。そして今、そのような植物が新潟でも生育する可能性について、改めて考える必要があるかもしれません。
「バイカルハナウド」とは?(※現時点では未確定)

現在、北海道大学構内で発見された植物が「バイカルハナウド」と断定されたわけではありません。調査中です。
- セリ科の多年草で、原産地はロシア・バイカル湖周辺
- 高さは最大4メートルに達する大型植物
- 茎には紫の斑点と粗い毛
- 放射状の大きな白い花を咲かせます
最大の特徴は、樹液に含まれる光毒性。皮膚に付着し、その状態で紫外線を浴びると、
→ 水ぶくれ・火傷・色素沈着といった皮膚障害を引き起こすことがあります。
※北海道大学では、現在この植物について種の同定と安全対策が進められており、断定には至っていません(公式発表はこちら)。
新潟にも広がる可能性とその理由
現時点で新潟県内での確認例はありませんが、以下の理由から、定着の可能性は十分に考えられます。
1.気候・地理条件の一致
新潟の冷涼かつ湿潤な気候、肥沃な土壌、河川敷や草地の多さは、この植物が好む環境と一致します。
2.種の拡散力
この植物は数万個の種子を生み、風や動物、人間活動により広範囲に拡散する可能性があり、北海道(まだバイカルハナウドとは確定していないですが)から本州へ移動する可能性もゼロではありません。
3.認知度の低さによる見逃しリスク
在来種(セリ、シシウド、ハナウドなど)に酷似しており、市民が気づかないまま拡散してしまうリスクがあります。
見分け方と市民ができること
見た目の特徴
- 高さ2~4mの大型植物
- 大きな掌状の葉(幅1m近くになることも)
- 茎に紫の斑点と剛毛
- 放射状に咲く白い花
接触してしまった場合
- すぐ流水でよく洗う
- 直射日光を避けて医療機関へ(見た目の異常がなくても早めに受診を)
見かけた場合
- 触れずに写真で記録(できれば周囲の環境も含めて)
- 市町村の環境課や自然保護担当に通報
「未確認だからこそ、備えが必要」
バイカルハナウドかどうかはこれからの調査で明らかになりますが、似たような性質を持つ外来種が既に国内で確認されている事実は変わりません。
新潟の豊かな自然環境を守るためにも、正しい知識と早期の気づきが私たち県民の力になります。