十日町市の夏、静かな森の中で石と語らうアートの散歩道に出会いました。
ふと見つけたのは、星と森の詩美術館で開催中の「十日町石彫プロムナードの作家たち2025」。ただの彫刻展にあらず、そこには石が放つ物語と、作家たちの温かなまなざしが広がっていました。
十日町石彫プロムナードとは?歩道にアートが並ぶまちの風景
1995年から2014年まで十日町市で行われていた「十日町石彫シンポジウム」。国内外の彫刻家たちが石を用いて制作した作品が、今でも市内の各所に点在しています。
現在ではその作家たちを毎年一組ずつ取り上げ、作品の深堀りと再発見を促す展覧会が行われています。
2025年は田中毅さん&新谷一郎さんの二人展

今年の注目作家は、見る者を思わず笑顔にさせる田中毅さんと、動物を優しく彫り出す新谷一郎さん。
- 田中さんは、毎朝インスピレーションを紙に描き、それをもとに石で造形するという独特のプロセス。
- 新谷さんは、カバや犬など身近な動物を、石でありながらどこか柔らかさを感じさせる表現で仕上げています。
作品たちは「石なのに、こんなに温かい?」と思わせる魅力に満ちており、子どもから大人まで楽しめる展示となっています。
展示詳細とイベント情報(2025年)
- 会期:6月6日(金)~7月27日(日)
- 会場:星と森の詩美術館
- 時間:9時30分~17時(最終入館16時30分)
- 休館日:火曜日
- 入館料:一般500円/中学生以下無料
関連イベント
- 7月19日(土):作家によりギャラリートーク(申込不要)
- 7月20日(日):粘土ワークショップ(要予約・定員10名)
鉄の美にも出会える?刀剣展も同時開催中
さらに注目すべきは、同美術館で同時開催されている館蔵刀剣展①「古刀」。鎌倉~室町期の日本刀10口が展示され、静かな空間で鉄の芸術と向き合う贅沢な時間が楽しめます。
石と鉄、硬質な素材がそれぞれに語りかけてくる展示構成は、まさに“素材との対話”を体験できます。
観光・地域文化に出会えるアート旅へ
地元に根ざしたアートや歴史ある刀剣との出会いが詰まったこの企画は、観光にも地域文化に出会えるアート旅におすすめ。公共交通でのアクセスも良好で、訪問しやすいのも嬉しいポイント。事前予約のワークショップなど、家族や友人とのお出かけにもおすすめです。

新潟・十日町の豊かな自然の中で、石と鉄に宿るアートに触れる夏のひととき。「石彫プロムナード展2025」は、作家たちの個性と、素材を活かす技術が響き合う静かな芸術祭です。温かなまなざしと、素材の力強さが同居する展示。ぜひ、足を運んでみてください。
詳しくは、公式サイトをご覧ください