2026年10月
新潟県村上市といえば、古くから親しまれてきた歴史ある「サケの街」。
しかし近年、三面川を上るサケの遡上数が激減し、地域の食文化は大きな試練を迎えています。
そうした中、伝統の味や食文化を未来へつなぐための“新たな挑戦”が始まりました。
今回は、村上におけるサケ漁の現状と、次の時代を見据えた新しい取り組み、そして今シーズンに向けた期待の動きをご紹介します。
深刻なサケ不漁…年間5万匹から1,400匹へ激減
村上市を流れる三面川は、日本初のサケ増殖事業に成功した歴史ある川として知られています。しかし、地球温暖化や海水温の上昇などの影響を受け、近年サケの不漁が続いています。
かつて2015年に年間5万5千匹を超えていた捕獲数も、2023年には1万匹を割り込み、昨シーズンはついに1,400匹ほどまで落ち込みました。
漁業関係者からも「今が一番の正念場」という声が上がっており、完全養殖に向けた研究も進められていますが、天然サケだけに頼らない新しい仕組みづくりが急務となっています。
伝統を守る“新たな一手”!「サクラマス」の活用と商品化
サケの不漁が続くなか、村上の食文化を絶やさないための「次の一手」として注目されているのがサクラマスです。
三面川鮭漁業協同組合では、約20年前からサクラマス孵化や増殖に取り組んできましたが、今年からは初めて放流用以外の余剰分を地元の料亭などに提供し始めました。
村上市内の料亭では、この秋から以下のようなサクラマス料理の提供を開始しています。
- サクラマスの焼き物
- サクラマスご飯(はらこご飯)
- いくら(マスの子)の醤油漬け(年内商品化予定)
単なる代用品としてではなく、村上が誇るマス文化の魅力を広め、新しい食の扉を開く大きな挑戦として期待が寄せられています。
今シーズンは期待大?水温低下と4年前の稚魚放流がカギ
厳しい状況が続く一方で、今シーズンのサケ漁には少し明るい兆しも見えています。
昨シーズンは最初のサケが確認されたのが10月23日だったのに対し、今シーズンは10月初旬の時点で既に複数匹の姿が確認されました。水温が順調に下がってきたことが好影響を与えていると見られています。
さらに、4年前(2022年)には三面川に約600万匹のサケの稚魚が放流されており、成長して戻ってくる「4年漁」が多く帰ってくることが期待されています。伝統の復活に向け、関係者も期待を寄せています。
伝統と新たな挑戦が交差する三面川のサケ漁
村上市の三面川におけるサケ漁は、伝統の復活を祈りつつ、12月16日まで行われます。
- サケの捕獲量は激減しているが、今期は水温低下や4年前の大量放流による回帰が期待されている
- サケの食文化を守るため、サクラマスを活用した料理や商品化という「新たな一歩」が始まっている
歴史あるサケの文化を守りながら、サクラマスという新しい魅力も加わった村上市。
伝統の復活を応援しながら、地域の新たな食文化の広がりに注目していきたいですね。

コメント